プログラマーの三大美徳
2025/11/01
「プログラマーの三大美徳」という言葉を聞いたことがありますか?これは、プログラマーが高いレベルで仕事をするために持っておくべき3つのマインドセットを表したものです。「プログラマーの三大美徳」をきちんと理解し、日々のコードや開発プロセスに取り入れることで、仕事の質をぐっと上げることができます。今回はその3つの美徳――「怠惰」「短気」「傲慢」――をわかりやすく解説します。
1.「怠惰(Laziness)」が実は美徳!?
「プログラマーの三大美徳」の最初の柱は、「怠惰」です。普通、「怠惰」と聞くとサボる・手を抜くというマイナスイメージが浮かびますが、ここでの「怠惰」はむしろ逆。
プログラマーが「どうすれば無駄な作業を減らせるか」「反復作業をなくせるか」「使いまわしが効く仕組みを作れるか」を考える姿勢を指しています。 エンジニアの求人転職専門サイト〖Javaキャリ〗
例えば、毎回手動でテストを繰り返す代わりに、自動化ツールを作れば、一度作業すれば何度も繰り返さなくてすみます。面倒に見えてもその先の「ラク」を得るために今手を掛ける。これが「プログマーの三大美徳」における怠惰です。
ポイントは「手を抜く」のではなく「無駄を省く」姿勢。毎回同じことをやるならば、最初に少し時間を使ってでもプロセスを改善する。そうすることで、次回以降の業務が楽になる。そんな視点を持つことが、優れたプログラマー像なのです。
2.「短気(Impatience)」が反応速度を高める
「プログラマーの三大美徳」の2つめは「短気」。一見すると「我慢ができない」などネガティブな印象ですが、ここでは「今このままじゃダメだ」「もっと速く・もっと良くできる」という焦りが動機になります。
具体的には、処理が遅い、記述が冗長すぎる、変更に弱いコード…そういった「イライラする状態」を放置しないこと。プログラムが「もっといい動きをすればいいのに」「また手作業が増えるのか」という苛立ちが、仕様を先読みして設計を見直す原動力になります。
つまり、「プログラマーの三大美徳」を実践する者は、単に与えられたタスクをこなすだけでなく、「この処理、もっとこうすれば速くなる」「将来的に変更が必要になるかもしれないから設計を考えておこう」といった先行投資を行います。こうした視点が、結果的にソフトウェアの品質や保守性を高めてくれます。
3.「傲慢(Hubris)」で品質に妥協しない
最後の「プログラマーの三大美徳」が「傲慢」です。こちらも聞くと「調子に乗る」「偉そうにする」といったネガティブな言葉ですが、開発者としては「自分が書くコードには自信を持ち、他人が批判できないくらい仕上げる」という意味合いがあります。
どういうことかというと、自分が作ったプログラムが「これで本当にいいのか?」「誰かにこれを自信をもって見せられるか?」という問いを常に持つ。雑に作ってすぐに投げるのではなく、「他人に迷惑をかけない」「メンテナンスがしやすい」「拡張しやすい」コードを追求する。この姿勢が「傲慢」であり、だからこそ美徳とされるわけです。
たとえば、バグの見逃し、コメントなしの複雑なコード、スパゲッティ的構造…こういうものを「こんなもんでいいだろう」と終わらせず、「もっと読みやすくしよう」「再利用できるように構造化しよう」という意志を持つこと。これが「プログラーの三大美徳」でいう傲慢です。
4.なぜこの3つを持つことが大事?
「プログラーの三大美徳」が提唱された背景には、「ただコードを動かせばいい」という旧来の考えに対する警鐘があります。 単に動くプログラムを量産するだけではなく、効率的に、将来を見据えて、品質高く作ること。そのために、この3つの美徳が指針になるのです。
怠惰 → 効率化と再利用を促す
短気 → 問題を先取りし、改善を促す
傲慢 → 品質にこだわり、妥協を許さない
この3つを意識することで、コードの生産性、保守性、拡張性が向上します。そしてそれは、開発者本人だけでなくチームやユーザーにも恩恵をもたらします。
5.「プログラマーの三大美徳」を日常に活かすためのヒント
それでは、実務や学習で「プログラーの三大美徳」を活かすにはどうすればよいでしょう?
怠惰を活かす:毎回同じ処理を手作業でやっていたら、自動化スクリプトや関数化を考えましょう。自分だけでなくチームが楽になる仕組みを作ることが鍵です。
短気を活かす:処理が遅い、変更が多そう、バグが頻発する…そう感じたら、設計を見直すチャンスです。リファクタリングやユニットテスト導入を検討しましょう。
傲慢を活かす:レビューで指摘されまくるコードを書かないように、「わかりやすさ」「ドキュメント」「保守性」を意識してコードを書きましょう。「これなら他人も安心して触れる」という自信を持てる状態を目指します。
そして、忘れてはいけないのはこの3つは“相反しているようで補いあう”ということ。怠惰であれば効率化できるが、傲慢さがなければ品質を維持できない。短気がなければ改善の意欲が出ない。だからこそ「プログラマーの三大美徳」としてセットで捉えることが大切です。
まとめ
今回は「プログラマーの三大美徳」というキーワードを中心に、プログラマーが仕事で意識すべき3つのマインドセット――怠惰、短気、傲慢――を紹介しました。どれも一見マイナスに見える言葉ですが、捉え方次第で立派な美徳になります。
もしあなたが「コードをもっと効率よく書きたい」「将来的にもメンテナンスしやすいアプリを作りたい」「チームやユーザーから信頼されるプログラマーになりたい」と思っているなら、この「プログラーの三大美徳」を自分の開発スタイルに落とし込んでみてください。
今日から少しずつ、怠惰を味方につけ、短気を改善の原動力に、傲慢を品質への誓いに。そんな意識が、あなたのプログラミング人生を一段と豊かにしてくれるはずです。